申論題內容
1、
憲法 19 条、14 条の各規定は、同法第 3 章のそのほかの自由権的基本権の保障規定と
同じく、国または公共団体の統治行動に対して個人の基本的自由と平等を保障する
目的に出たもので、もっぱら国または公共団体と個人との関係を規律するものであ
り、私人相互の関係を直接規律することを予定するものではない。このことは、基
本的人権なる観念の成立および発展の歴史的沿革に徴し、かつ、憲法における基本
権規定の形式、内容にかんがみても明らかである。のみならず、これらの規定の定
める個人の自由や平等は、国や公共団体の統治行動に対する関係においてこそ、侵
されることのない権利として保障されるべき性質のものであるけれども、私人間の
関係においては、各人の有する自由と平等の権利自体が具体的場合に相互に矛盾、
対立する可能性があり、このような場合におけるその対立の調整は、近代自由社会
においては、原則として私的自治に委ねられ、ただ、一方の他方に対する侵害の態
様、程度が社会的に許容しうる一定の限界を超える場合にのみ、法がこれに介入し
その間の調整をはかるという建前がとられているのであって、この点において国ま
たは公共団体と個人との関係の場合とはおのずから別個の観点からの考慮を必要と
し、後者についての憲法上の基本権保障規定をそのまま私人相互間の関係について
適用ないし類推適用すべきものとすることは、決して当てをえた解釈ということは
できないのである。
(三菱樹脂事件、最高裁判所昭和 48 年 12 月 12 日大法廷判決)