(一)よく子どもに「人をじろじろ見ちゃいけません」といいますが、視線 というのは暴力にもなります。どういう場面でどのように相手を見 たらいいのか、そういう「視線の作法」は、経験を通じてしか学びよ うがない。インターネットの画面に向かい合っている時間が長すぎ て、その作法を学ぶ機会を逸しているということもあると思う。
ネット環境の人間関係は参加しやすく、抜けやすい。階層性を持た ないので、上下関係がなくてフラット。面と向かってつきあう関係 は、一度、関係ができたらなかなか裏切れない。つまり、ネット環 境のメンタリティは現実社会では通用しない。このふたつの社会を きちんと棲み分けなきゃいけなくなっているんですね。