問題1 下の二つの文章を読み、文章1、文章2ともそれぞれの内容を150字程度(土10%)に要約してください。ただし固有名詞以外は違う表現で言い換え、笛条書きではなく短い文章としてまとめるようにしてください。(25点×2=50点)
文章1
後味が悪い(後味の悪い)の「後味(あとあじ)」は、ものを飲み食いした後に口に残る味のこと。そこから、ものごとが終わった後の気分をいう慣用句としても用いられる。しかしこの「後味」、「化学調味料が入った料理は後味が悪いね」「犯人の自殺で終わるという後味のよくない事件だった」と主に「悪い」「よくない」と否定的に用いられ、食べているときはうまいと思っても口に不快な味が残るとか、ものごとにいちおう決着はついたけれどもすっきりしない気分が残りすなおに喜べない、といった感覚を表すことになる。なぜ「後味がいい」とあまり言わないのかというと、例えば、出された料理を食べた後「後味のいい料理ですねえ」と誉めたつもりでも、料理人にしてみれば「後味はよくても、食べたときの味はたいしたことないのかよ」と、まさに後味の悪いほめ方になってしまうからであろう。こういう場合、頭のよい皆さんは(料理がマジでまずかったと思っても)、「いやあ、後をひく味ですねえ」などと言ってあげれば、頭の悪い料理人なら舞い上がることうけあいである。(452字)
文章2
細菌とウイルスは、どちらも人間に感染症を引き起こします。感染症とは細菌やウイルスなどの病原体が体に入り増殖することによって、さまざまな症状をもたらす病気です。細菌とウイルスはその大きさや増殖能力の有無など、さまざまな観点から違いを表すことができますが、なかでも決定的な違いとしては、細菌は生物であり、ウイルスは生物とはいい切れないところです。細菌は次の3つの理由から「生物」であるといえます。
(1)細胞を持つ
(2) 栄養を摂取し、そこからエネルギーを生産している
(3)細胞分製を繰り返すことによって生存・増殖もおこなっている
細胞とは生物を形成する基本単位となるもので、私たち人間を含めたすべての生物が細胞によって構成されています。細菌はウイルスより大きく、光学顕微鏡によって観察することができます。ウイルスが生物であるかどうかは研究者によって意見の別れるところです。しかし下記の理由から「生物である」といい切れないことは事実です。
(1)細胞がない
(2) 栄養を摂取したり、エネルギーを生産したりしない
(3) 自力で動くことはできない
(4)ウイルス単体は自力で増殖できない
ウイルスは細胞がなく、細菌よりさらに単純な構造です。タンパク質でできた「カプシド」という殻のなかに遺伝子情報となる核酸が収められています。またウイルスは細胞よりも小さく、光学顕微鏡では見えず、電子顕微鏡でなければ観察できません。
さらに、ウイルスは自力で増殖することができませんが、動植物の細胞のなかに入りこむことができます。どの生物のどの種類の細胞に入り込めるかは、ウイルスの種類によって異なります。動植物の細胞に入り込んだウイルスは、その細胞の機能を使って自身のコピーを増やしていきます。
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